【漫画ブルージャイアント考察】スプリーム(ドイツ編)12オリジナル曲

4巻32話 COLLERS

COLLERSというジャズの曲はみあたらなかったのですが、誰かご存知なら教えてくださいね!

バンドが出来上がったところで、ぶつかり合いだらけの毎日です。

個性が強いバンドはこう言う事がおこりますね。
そこから題名がカラーズなんだと思います。

ピアノのブルーノがバンドのために曲を書いてきます。
意図的に超絶に難しい曲です。

ジャズミュージシャンは難曲に立ち向かうのが好きな人多いです。
僕もその一人です。
できた時の爽快感がわかってるから、自分はできる!という自信にもつながるから。

色々理由はあるかと思います。

でも主人公の大はこれだと勝てない!といいます。

むずかしいのはジャズのファンに向けられているから、そんなのしれている。
もっとジャズを知らない人に感動を与えられる曲にしたい!

とても大事な話です。

ジャズはそもそもアドリブが難解な上に、メロディまで難解だと
聴く人をとても選びます。

とはいえ、それをやってのけたのが
コルトレーンの「ジャイアントステップ」であり
チャーリーパーカーの曲なんかもそうですね。
あまりにも凄すぎて、語り継がれ今でも挑戦者が絶えない曲です。

こういうバンドでの喧嘩が絶えないバンドは
解散するか大化けするかですね。

ジャズミュージシャンのジレンマをよく描いた内容だと思います。
すごい漫画です!

 

 

 

 

【漫画ブルージャイアント考察】スプリーム(ドイツ編)10 楽しさと自由

ドイツ編30話 BLUE MOON

ドラマーラファエルは結局大のバンド加入はしなかった。
大に入らなかった理由として、「ジャズは楽しさと自由がある。それをずっと続けるためには一つのバンドにはいらない方がいい。」という内容のものです。

その後も沢山のバンドをこなしていく上で、あたり触りなく、「今日はよかったよ。」
「楽しかった、また来月も。」という言葉

ドラムソロ中にサックスとピアノが関係ないお話しをしている。
それを話すと、「俺たちはガチのプロじゃない。だからもっと楽しまないと。」というセリフに
色々悩む、、

芸術家にこのラインはとても大事なものだと思います。
真剣にやりこむと揉めるし、お互い譲らなきゃいけないし。
でも一度その深さで快感を得ると、抜け出れない。僕もそんなイメージです。

結局ラファはそこに踏み込む決断をした。

本当にジャズミュージシャンあるあるの悩みですね。
ここまで深掘りして、ドラマに仕立てる石塚先生すごいですね。

ラファはなぜ入る決断をした?と聞かれた時に
電車でみた「月が綺麗だったから」と答えています。

BLUE MOONという曲は
ひとりぼっちの時に見たブルーだった月が
恋する人と出会ってゴールドに見えるという歌詞がついています。

まさにタイトル選択も凄いですね!
演奏はトランペット・フレディハバードの演奏です。
最後のトランペットのフレーズのあとにブレイキーが讃えてロールをしているのが
めちゃくちゃ微笑ましいライブ演奏です。

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【漫画ブルージャイアント考察】スプリーム(ドイツ編)09 加速する演奏

4巻28話 FASCINATING RHYTHM

タイトルはガーシュウィンの名曲ファッシネイティングリズムです。
まさにタイトルにふさわしい曲ですけど、内容的にSo What がでてきたので、
Miles Davis [Four And More]のSo What を選ばせてもらいました。

とうとう一緒に演奏する気になったラファエルは
ミディアムテンポのブルースでどう?とハンナに言われて演奏が始まります。

途中、大がもっとやろうぜ!と煽って15分も演奏していた、という描写になっています。
あるあるですね!管楽器の人とやるとながーく演奏になる事多いです。

次は曲は大が選べとラファエルが言ったところで、この曲 So What が選ばれます。

ベースがメロディラインで、演奏が始まると大がフルスロットルで始めて、テンポがはやくなっていく、、、
という描写があります。

まさにこのマイルスの演奏をイメージしたのでは?と思いました。
メロディが終わったところで、マイルスの熱量にバンドが一気に加速して興奮していく感じ
この曲で感じ取れるのかな?って思います。

 

【漫画ブルージャイアント考察】スプリーム(ドイツ編)08 生き残りセッション

4巻27話 INVITATION

バンドに入る気はないというラファエルをブルーノはオープンセッション(お客さんも参加できるセッション)
でバンドメンバーの演奏を聴いてくれと頼みます。

ベースのハンナが最初に一曲演奏に入ります。

途中ベースの強さにたじろいだピアニストに演奏の曲中にブルーノがピアニストと交代します。

これは日本とかではありえないですけど、チャーリーパーカー時代などでは、Cutting Sessionという腕自慢セッションがあったようで、演奏がイマイチだと、途中でステージを降ろされてしまう事があったようです。

演奏がひとしきり終わったところで、大(主人公のダイ)がラファエルに
「もし一緒に組んだらヨーロッパ1のバンドになろう!」といって
インビテーションをコールして(インビテーションを一緒に演奏しようと提案して)バンドに入っていく。

というシーンです。

とても現実的な描写です。実際セッションで出会ってバンドができるのはよくあるし、
ジャズならではの良さですよね!

石塚先生のストーリー作りと、リアリティが満載の描写でした!

インビテーションはジョンコルトレーンの曲ですが、バラード的にやっているんですよね。
ある程度テンポがあって、お互い駆け引きしてるのがわかりやすいロイハーグローブの演奏をあげてみました!

【漫画ブルージャイアント考察】スプリーム(ドイツ編)07 ピアノで遊んでいる、戦っていないピアノに憧れた!

4巻26話 YOUR STORY
大のバンドにドラマーラファエルを誘うため、ピアニストブルーノがバーで話ます。
ラファエルは以前ブルーノとバンドで演奏した時に、ブルーノが演奏が面白くないからという理由でライブの途中で帰ってしまった事に苦言を呈します。

今もあるのかな?昔のミュージシャンはちょいちょいあったって聴きますね。

かくいう僕もリハーサルの途中で帰った事があります。
まあそれは、面白いとかではなく、コンセプトの違いでしたけど。
真剣にやっていれば、そういうのってありますね。
まあ、自分の視野が狭かっただけですけどね。

その対話の中で、ブルーノの尊敬するピアニストがセシルテイラーだという話がでてきます。

ラファエルは理知的なスタイルのブルーノが奔放に演奏するセシルを好きだなんて意外、、、といいます。
確かに!!

でもブルーノはずっとクラシックを練習していて、ピアノで遊んでいる、戦っていないピアノを聴いて憧れた!
と言っています。

確かに、そういう視点って面白いですよね!

セシルの演奏は音だけでなく、映像みると分かりますけど、ピアノが上手いのはわかるんですよね。

めちゃくちゃじゃなく、自由に弾いているイメージです。
スガダイローさんのプレイも通じるところありますね。

 

【漫画ブルージャイアント考察】スプリーム(ドイツ編)06 場をコントロールするドラム

スプリーム(ドイツ編)4巻第26話 Your Story
タイトルに使われている曲は、エヴァンスの最後のトリオ ラストコンサートでのエヴァンスの曲ですね。
すごい選曲!!

25話の話の続きになりますが、
ドラマーラファエルとブルーノの出会いが描かれています。
演奏中にブルーノが立ち上がって出ていってしまう。
それをドラムがドラムソロで受けて場を繋いでるというシーンです。
この時のドラムソロ描写の画力がすごい!音が聴こえてくるようですね。

演奏中にピアノが同じ事を繰り返しているのを
ドラムがリードして変えていくというシーンがあります。

一旦空白を作ったり、コンピングで相手のフレーズの下句を歌ってあげたりすれば、あるかもですね。

実際ジャズドラムって相手の眠っている部分を引っ張り出す事もできるので、そこがたまらない魅力でもありますね。
アドリブだからこそ出来る音楽の一番の魅力ですね。

 

 

【漫画ブルージャイアント考察】スプリーム(ドイツ編)05ドラマー登場!

ブルージャイアント スプリーム(ドイツ編)4巻 1話JOY
これも上原ひろみさんの曲にありますね!
楽しさが伝わってくる曲です。

ドイツ編でのドラマーはラファエルです。
彼は一つのバンドに属する事なく、自分の腕前で求められた演奏をしていくのスタイルのドラマーです。
基本ジャズドラマーってそういう役柄なんですよ。

でも、レギュラーバンドって温める事によって、初めまして!でやる演奏よりも
ずっとずっと高い所に行くことができる事があるんですよね。
昨日こうだったから、今日は壊しにかかる、、、
こういうのマイルスバンドでは観てとれますよね。

過去記事はこちら↓

ウェイン・ショーター21 プラグド・ニッケルの実験演奏

レギュラーバンドの魅力を感じない彼が変わっていくというフラグですよね。
石塚先生はいつもこういうドラマを上手く描きますよね。

リアルジャズとの違和感としては、漫画では29日前にメンバーとの打ち合わせをコーヒーショップでしています。
これ、ヨーロッパにはあるんでしょうか?
この程度の打ち合わせだとメールで譜面と音源が送られてきて、当日リハーサル
という流れがジャズバンドの通常だと思います。
音を出さない打ち合わせというものはイベントで選曲がある、舞台回しがある等の時はありますが、ライブハウスでの演奏はほぼ当日だけになる事が多いですね。

 

 

【漫画ブルージャイアント考察】スプリーム(ドイツ編)04ピアニスト登場

3巻24話WARRIOR
おっと、これはジャズの曲?と思って調べたら 上原ひろみさんの曲でありました。

ピアニスト登場の曲名としてはいいですね!さすが石塚先生

ベースのハンナと主人公の大は初のライブを終えてベルリンに向かいます。

そこにいたのが、神経質なピアニスト・ブルーノです。

一緒のメンバーが音を2回ミスったところで、ステージ上で水をぶっかけるというシーンがあります。
それをハンナと大が見ていて、仲間になるわけですが。

管楽器に水は結構やばくて、、、
多分、ミュージシャン的にそのチョイスはないかなーって思いますけど
譜面を投げられた事は過去にありますね。

ステージ上で怒りをあらわにするのって、今の時代的にどうかと思いますけど。真剣だから、というのはあります。

実際若い時はリハーサルでマジ喧嘩しましたからね。

【漫画ブルージャイアント考察】スプリーム(ドイツ編)03初ライブ

3巻21話SMILE
主人公大はハンブルクのストリートで演奏します。
結構お金いれてもらうのです。
でも、「これはイージーすぎるから俺的ではない。」といい二度としないとベースのハンナに言い切ります。

これ、すごくあるあるです。学生の時にやったことありますけど、新宿とかで週末は一晩で一人2万とかになったりしました。
正直ライブするよりお金になったかも、、、

でも珍しいからとか、リクエスト聞いてもらったからとかの理由もあったりして、それって、自分の音楽というよりかは、観客よりなんですよね。

やっぱり、本気で見たい人に真剣な演奏してお金もらいたい!

という感覚なんですよね。

ハンナのお家にいって彼女が毛布にくるまって練習してるという姿をみて、大は笑いますが、これ、1部のドラマー玉田のを思い出して笑ってますよね。
気づいている人いました?

3巻22話SKY HIGH
そして、ジャズ好きな人を楽器店のマスターに集めてもらって、なんとベースとサックス二人でライブをします。

お互いが初のライブで真剣に演奏して、もがきながらコラボができていく様の描写が素晴らしいです。

終わったあと、賛否両論、だけど全員がそのバンドの話に夢中になっている。
二人は大都市のベルリンに向かう事にします。

 

【漫画ブルージャイアント考察】スプリーム(ドイツ編)02ベーシスト登場

ブルージャイアントの日本編では、ベースがいないバンドJassでしたね。

通常ジャズはベースが中心といってもいいので、あまりベースレスというのは
見かけないのですが、おそらく作者さんが、上原ひろみさんの演奏を聴いて、インスパイアされたのではないかな、、、

だから、演奏も上原ひろみさんだったので、成立したのかなーって思います。

ドイツ編ではいよいよベーシストで、しかも女性のハンナ・ペーターズというキャラがでてきます。

2巻11話のTRANSITIONの引きで10話の最後にでてきます。
1話づつのタイトルもジャズの曲でできてますね。
芸が細かい!素敵ですね。石塚先生。

彼女の回顧で、子供の頃に出会ったベーシストが出て来ます。
うーんこれ、ロン・カーターがモデルな気がします。

でも、3巻19話 GET HAPPYで、好きなベーシストは
チャールズ・ミンガスって出て来ます。

確かにハンナの描写は激しい、力強いミンガスのイメージでした。

石塚さんの絵は、音が聴こえてくるようで素晴らしいですね。