ビル・エヴァンス33 ファーストトリオの構想

ビルはこのトリオを結成するまでに音楽的にこんな構想を考えていた。

「ただひとりの演奏を他の人が追随するような形ではなく、トリオが相互にインプロフィゼーションする方向で育っていけばいいと思う。例えば、もしベース・プレイヤーが自分の演奏で答えたい音を聴いたとする。(注釈:頭の中に聴こえたとする。)それなのにどうして4/4拍子を後ろでただ引き続けている必要があるんだ!」

この当時、こういった演奏するバンドはまだなく、ベース・ドラムはあくまでアドリブのサポートと考えられていた。

今では当たり前にされるこのスタイルも、ビルが完成させたからこそですね。

スコットラファロがスタンゲッツバンドにいた時はあくまでシンプルなライン奏者ですからね!

ビル・エヴァンス32 黄金トリオのライブ海賊版があった!

ラファロは短命だったため、この3人でのアルバムは4枚しかないと思っていましたが
なんと、ポートレイトインジャズのレコーディングの後のライブがアルバムになっているとは、、

定番のイントロからAメロディに入ったところはなんと
ベースはペダルでサビまでもっていっています。
ベースソロの最初も同じ音を保留しての展開!

3人が混在して歌っている感じが、このタイミングでピアノトリオでされていて
本当にかっこいい!

このアルバムで枯葉が何曲もはいっていて、いろんなアプローチがあって
勉強になります。

ビル・エヴァンス31 ポートレイト・イン・ジャズ

1959年 ビルはミュージシャンに好かれるミュージシャンの印象が、
「ダウンビート」誌でも6位まで上昇しています。

リバーサイドのオリン・キープニュースは早速この黄金トリオでのアルバム制作を企画

名盤中の名盤「ポートレイト・イン・ジャズ」ができあがります。

枯葉のイントロとかも有名ですが、あえてこの曲を選んだのは、当時付き合っていた彼女の名前
ペリがはいった曲です。

1年前に作曲されていたそうですが、録音が終わって電話している時に
「何を録音したと思う?」と彼女にきいたそうです!

かっこいいですね!

 

ビル・エヴァンス30 黄金トリオの出会い

エヴァンスがトリオを組みたいというのを聞いて、マイルス・デイヴィスはエージェントに掛け合って

ベースにジミー・ギャリソン
ドラムにケニー・デニス

のメンバーでルグラン・ジャズの演奏をとってきてくれた。

こういう所がメンバーの面倒見がいいですよね!
メンバーだった人はマイルスを冷たいと感じている人はほとんどいない所以ですね。

結局リハーサルの後、イースト49町目にあったベイジン・ストリート・クラブ
(旧カーサー・クーガー)に3週間演奏することになった。

ただ、この仕事がベニー・グッドマンバンドの前座的な役割で
ベニーのバンドは夕食がでるのに対して
ビルのバンドには飲み物も有料で、演奏中はマイクの電源すら切られる有様だったようです。

ジミーもケニーもあっという間に仕事を降りることになり
フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)が入ったりすることもありつつ

固まったトリオが
スコット・ラファロ(B)
ポール・モチアン(ds)だったわけです。

なんという引き合わせなんでしょう!!!

そして「ポートレイトインジャズ」の録音へと進んでいくわけです!

 

ビル・エヴァンス29 人生唯一の講師経験

1957年 マサチューセッツ州西部バークシアーズにあるレノックスにジャズ音楽学校ができます。音楽監督はジョン・ルイス

8月の3週間だけエヴァンスが講師として招かれたようです。
生涯唯一の教師の経験だそうです。

講師はジョージ・ラッセル ハーブ・ポメロイ ケニー・ドーハム マックス・ローチ JJジョンソン ボブ・ブルックマイヤー ジミー・ジェフリー ビル・ラッソ ジム・ホール MJQメンバー全員

生徒陣は アル・キーガー デイブ・ベイカー フレディー・ハバード ゲイリー・マクファーランド

なんと オーネット・コールマン ドン・チェリーも聴講していたようです!

エヴァンスはジョン・ルイスの補佐としてラン・ブレイクやスティーブ・キューンを教えたようです。

この時の受講者に兄のハリーも参加していたそうです。

この後に作った教育ビデオが上に貼ったドキュメントビデオです!

なんでもYouTubeで見れるってすごいですね!

 

ビル・エヴァンス29 トニー・スコットとのギグを精力的に!

マイルスバンドに在籍しつつも、トニースコットさんとは精力的に共演しているんですよね!

マイルスの「ウォーキン」やっていて、やっぱり影響受けてるんだなーと
ライブで本人の録音だったのですが、荒いので放置されていたのを1978年に

「ゴールデン・モーメンツ」と「アイル・リメンバー」の二枚のアルバムにして発売されています。

メンバーが ビル・エヴァンスP ジミー・ギャリソンB ピタ・ラロッカDS
とってもライブらしくていい演奏ですよね!

心地よく走ってるし、どうする?なんて感じの空気もあったりして、すごく好きです!

ビル・エヴァンス28 チェット・ベイカーのアルバムに再び参加

リバーサイド在籍ピアニストとして、再びチェット・ベイカーのアルバムにも参加しています。

この曲は有名な映画「マイフェア・レディ」の名曲ですよね!

作詞家と作曲家でタッグを組んでいた、アラン・ジェイ・ラーナー(作詞)とフレデリック・ロウ(作曲)お二人の曲集というわけですね!

ビルはすごくスウィンギーに演奏していますよね!かっこいい!

ビル・エヴァンス27 映画「オッズ・アゲインスト・トゥモロウ」の伴奏

ロバート・ワイズ監督の映画「オッズ・アゲインスト・トゥモロウ」の譜面を
MJQのピアニスト[ジョン・ルイス]が担当していました。

レコーディングでは指揮に専念するために、ビルが選ばれたようです。

上にはったタイミングのシーンではビルが映像をみながら即興演奏をつけたようですが、
4秒ずれて編集されているようです。
ビルはこれで台無しになった、といっていますが、、いやー普通にいいですよね!(笑)

確かにビル・エヴァンスのタッチです!

ビル・エヴァンス26 リー・コニッツ ミーツ ジミー・ジュフリー

1959年 カインド・オブ・ブルー制作の年、サイドマンとしての仕事を色々引き受けています。
ヴァーブから発売されたこのアルバムもその一つです。

この曲は普通のBbのブルースですが、音の手前に装飾音符を付けてアドリブをしてるのが特徴的ですね!

ビル・エヴァンス25 フラメンコ・スケッチズはピース・ピースの変形

僕はこのベースとピアノのフレーズを聴くと、大きな振り子をいつも連想させられます。
元はレナード・バーンスタイン作曲の「サム・アザー・タイム」の冒頭のモチーフです。

このフレーズを繰り返して演奏を展開する、ビルの「ピース・ピース」という楽曲から着想を得ていて、
このアルバムに「ピース・ピース」を入れたいとマイルスも話していたようです。

「ピース・ピース」はずっと同じモードですが、
この曲では5種類のモードにすることをビルが提案!

このアルバムは全曲マイルス作曲になっていますが、やはり、エヴァンスのアイデアがふんだんに盛り込まれているんですね!