バート・バカラック丸ごと解説 ゲスト:平賀マリカ(ジャズボーカリスト)Burt Bacharach

2023年2月8日 大作曲家バート・バカラックさんがお亡くなりになられました。
自伝も出版されていまして。
彼の生涯をまとめるにあたって、僕がよく共演させていただいている
平賀マリ力姐さんがバカラックさんの曲集アルバムをつくっていて
本人に手渡した!というエピソードがあるので、対談をしてみました。
対談内容にいろいろな人物が登場しますので
前半はバカラックさんにまつわる生涯をざっとまとめたお話しをしてあります。
バカラックさんの作風について、こんな時代にまとめました
 ブリル・ビルディング作曲時期
 ハル・デイヴィッド(作詞家)とディオンヌ・ワーウィックとのタッグ
 キャロル・ベイヤー・セイガー(作詞家)と共作時期
 後期自分の演奏活動
 エルヴィス・コステロとの共作時期

マリカ姐さんには
以下の内容でインタビューしました。
 バカラック本人に直接CDを渡した
 バカラックの作品で一番衝撃を受けた曲は?
 レコーディングのエピソード
 プロボーカリストからみてバカラックの曲の魅力は?
 アーティストの苦悩
 娘ニッキ
 ニューヨークシティセレナーデ

素晴らしい作曲家で成功者ですけど
ジレンマや苦悩があるんですね。

バート・バカラック12 売春宿を描いた映画の挿入歌 House Is Not A Home

1920年代 ニューヨークで名を馳せた マダム・ポリー・アドラーの生涯を描いた映画
「禁じられた家 A House Is Not A Home」の主題歌をバートは作曲しています。

ブルック・ベントンが歌ったのですが、メロディラインを譜面と違って歌っていたらしく
職人肌のバートが何度も注意してレコーディングが険悪になったので、バートはレコーディングルームから閉め出されています。

バートはルーサーバンドロスのバージョンが最高っていっていますね。

バート・バカラック12 売春宿を描いた映画の挿入歌 House Is Not A Home

1920年代 ニューヨークで名を馳せた マダム・ポリー・アドラーの生涯を描いた映画
「禁じられた家 A House Is Not A Home」の主題歌をバートは作曲しています。

ブルック・ベントンが歌ったのですが、メロディラインを譜面と違って歌っていたらしく
職人肌のバートが何度も注意してレコーディングが険悪になったので、バートはレコーディングルームから閉め出されています。

バートはルーサーバンドロスのバージョンが最高っていっていますね。

バート・バカラック11 オバマ大統領も歌うWalk On By

ディオンヌ・ワーウィックの曲でバート・バカラックの曲となると
トップ10には入るこの曲「Walk On By 」

ニュージャージーでの選挙戦中に一緒にその地を回ったディオンヌを讃えて、この曲の冒頭を歌っています。
選挙活動で歌うってすごい!

バートは歌にうるさいのに、「ちゃんと歌えているんだ!すごい!」って言っています!

 

バート・バカラック10 イギリスでコピった曲の方が本家より売れるという現象

1964年 バートとハルの共作「Anyone Who Had A Heart」恋するハート(邦題)が発表されました。
この時はディオンヌ・ワーウィックが歌ったものだったのですが、この当時アメリカのヒットソングは数週間で全くそのままコピーされイギリスで世界発売されるという事が頻繁にあったようです。

ディオンヌよりもシラ・ブラックの演奏が世界的に有名になってディオンヌは機嫌がわるかったようですね!

サビに行く前にちょっと変則な小節があったり、非常にバカラックらしい作風ですね!

 

バート・バカラック09 ベイシーバンドは3拍子が演奏できない?

元の曲は3/4で書かれた曲で、ジャック・ジョーンズがレコーディングしています。
クインシー・ジョーンズのアレンジでシナトラが歌って、ベイシーらしいアレンジ感じにしあがっていますね!

バカラックはクインシーに直接電話をかけて、なぜ4拍子になっている?

と聞いたそうです!

「バート、ベイシーのバンドは3拍子が弾けないんだ!」との答え!

まあ、弾けなくはないんでしょうけど、ベイシーらしくならないんでしょうね!

バート・バカラック08 喧嘩の中のセリフからできた曲「Don’t Make Me Over」

前回紹介した「涙でさようなら」は、最初ディオンヌ・ワーウィックのために書いたものの、
彼女が曲に興味を示さず、発表されなかったので、ジェリー・バトラーに歌わせたのでした。

でもディオンヌは、勝手に自分の曲を受け渡したと考えて、揉めます。

話合いの中で「Don’t Make Me Over Man」私を人に譲ったりしないで。
というセリフがあり、なんとバートとハルは1週間後そのタイトル曲を書き上げた。
それがこの曲です。

ディオンヌと仕事がしたかったバートとハルはこのあと彼女と3人のプロダクション会社を作って
今後ヒット作をガンガン飛ばしていくことになります。

ディオンヌは日本ではあまり名前を知ってる人は少ないかもですが、
We Are The World にも参加していて、ホイットニー・ヒューストンの叔母さんになります。

バート・バカラック07 初めての総指揮制作「涙でさようなら」

ディオンヌ・ワーウィックから連絡があり、ハル・デイヴィッドとの曲を数曲録音したのだけど、
その時「涙でさようなら」[Make It Easy on Yourself]はディオンヌもあまりピンときていなかった。

結局セプター(レコードレーベル)ではこの曲はださないときまったので、
ヴィージェイ(レコードレーベル)で、ジェリー・バトラーの歌で録音することに決定した。

ミュージシャンを集めて、指揮をとってレコードを作ってくれ!と言われ、バートは人生初の総指揮を努めた。

ポップ・チャート20位まで上昇したのだけれど、
このプレスされた音質が気に食わなかったらしく、バートは回収して作り直す!なって言ったそうです。

職人的なこだわりですね!

 

 

バート・バカラック06 え?このビートルズの曲ってバカラック作曲なの?

1961年 The Shirelles によって発売された [Baby It’s You]を
ビートルズかカバーしています。

マレーネデイトリッヒのコンサートを回っている時に
ビートルズのメンバーの1人がやってきて、あんたの曲一曲カバーしたよ!と言われたそうです。

その時バートはビートルズをしらなかったらしくww

当時はアメリカのヒットソングをあっという間にイギリスの人がそのまんまコピーしてレコード化する、
というのが日常茶飯事だったそうです。

このアルバムよく聴いたので、え、これバカラックだったの?って思う人も多いかもです。

バート・バカラック06 振り回される作曲

ハル・デイヴィッドと書いたこの曲はひとフレーズが3小節でできていたようですが、当時の音楽ではそういうものがあまりなかったので違和感を感じたんでしょう。

プロデューサーが4小節に変えたらジョー・ウィリアムズに歌わせるということで、この音源が残っていますが、全く売れなかったようです。

確かに、フレーズ事に1小節間延びする感じがあるかもです!

バートさんは今後、変拍子やら奇数小節の曲をいっぱい書いていきます。

僕もやたらむつかしーなーと思う時ありますけど、彼の芸術感なんでしょうね!

「お前が間違っているといってやる自信がなかったために多くの曲を台無しにしてしまった」と言っています。

まだキャリア的にも難しかったでしょうね、、、